STORY
トドマツ精油「2052」を生産するのは、飛田暁・彩夏のふたりで営むハーブ農家「いろどりファーム」。
わたしたちがトドマツと出会い“かおりの生産者”になるまで、自分たちの暮らしを通したさまざまな経験がありました。
不自然な暮らしと日用品がもたらしたもの
大学を卒業したわたし(夫:暁)が東京で就職し、社会人として働いていた頃のことです。日に日に、食事や生活、自分の行動が荒んでいることに気づきました。「このままじゃいけない」と感じたわたしは、生活を整えるために“サウナ”に通いだします。そこでわたしが初めて体験したのは、“ロウリュサウナ”。アロマのかおりで心と身体が満たされ、気分がすっきりしていくのを感じました。日々の疲れがリセットされるようで、この頃からわたしのサウナ通いが習慣になっていきました。
それから数年経った2014年、いくつかのきっかけが重なり、都会をはなれて故郷である十勝で暮らすようになります。ところがある時突然、体調を崩してしまいました。吐き気やだるさがあり、なかなか治まらなかったのを覚えています。 しばらく辛い時期を過ごしたのち、その原因が日々の生活で使っていた人工香料だとわかったとき、人工的で不自然な日用品に囲まれて暮らしていることや「かおりは体調や行動を左右する」ことを知りました。
十勝に戻ってはじめたハーブ農家としての営み、その可能性
自分の体と向き合い、家族が増え、十勝で暮らすことで変わっていった暮らしの価値観や考え方。農的な営みを試しながら、わたしたちは理想とする生き方を実践するための環境、場所を探すようになりました。
そのなかで出逢った十勝・芽室町にある一軒家は、ハーブを生産していた農家さんのものでした。わたしたちはその意志を継ぐかたちで、農家としてハーブを生産することに。
毎日ハーブにふれるうちに、ハーブやまわりに生育する植物の“かおり”に可能性を感じ始めました。
「このかおりを、生活の中に取り入れられないだろうか」と思い、ハーブ生産の傍ら、ハーブの“かおり”を使った試行錯誤を繰り返しました。すっかりサウナが日常になっていたわたしはまず、その時通っていた温泉にご協力いただき、ハーブの香りを楽しむ“ハーブサウナ”を実践します。
北海道に生きる植物“トドマツ”との出逢い
ハーブサウナを利用したお客様からは「植物のかおりでよりリラックスできた」など、思いのほか好評の声をいただきました。
けれど、ハーブサウナができるのはハーブが収穫できる夏の間だけ。北海道のハーブや植物のかおりを、一年を通して楽しみ、届けることができたらとの思いは強くなるばかりでした。
そうこうするうちにたどり着いたのが、古来から北海道に自生するトドマツでした。トドマツは、日本では気温の低い北海道に生息し、冬も葉を落とさないモミ科の木。つまり四季を問わず、葉や枝を採取することが可能な植物が、わたしたちの暮らす場所の近くにずっと生息していたのです。
わたしたちはトドマツのかおりを楽しめるよう、精油をつくることに決めました。
こうして、すべての経験と出会いが、“かおりの生産者”としてのトドマツ精油づくりに繋がったのです。